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額縁にも味わい…大原美術館(本館)

美観地区は細~い路地も魅力のひとつ。
有鄰庵の目の前にある路地を行くと、5分で大原美術館に行けちゃいます。

倉敷川には白鳥が!
ゆったり仲良く泳いでいます。

訪れる前に画集[大原美術館1海外の絵画と彫刻ー近代から現代までー]財団法人・大原美術館発行をじっくり見てきました。

特に見たいのが
 「髪に手をやる女」ジョージ・シーガル
 「絵画」ピエール・スーラージュ
この2作品はぜひ見たかったのですが、今回飾られていなかったので、次回のおたのしみにとっておきます!
 ※大原美術館の方によると、ときどき本館と分館の洋画を数点ずつ入れ替えています、とのこと。

数多くある作品の中でも、お気に入りは「セゴヴィアの夕景」シャルル・コッテ。
見た瞬間に惚れました…
色彩は落ち着いている(どちらかというと全体的に暗い)のに、なぜか惹かれます。
落日の光が街並みを浮かびあがらせている、その美しさをコッテと共有しているような気になります。

鑑賞するときは、音声ガイド(一般500円)がおすすめ!
アメデオ・モディリアーニの作品解説では、ついついグッときました…
(自分の無知が恥ずかしい!)

それにしても、数百年の絵画、しかも名画が目の前にあるなんて不思議な気分です。
特に、筆の運びが分かる作品は画家の息づかいを感じる…気がします。
何百年も残り続ける作品。
それを目のあたりにできるなんて。
すごいことです。

しかも。
現代作品はどのような基準で選んでいるのか、美術館の方に聞いてみたところ
「支援を目的として、若い日本人の方の作品を展示しています」とのこと。
大原孫三郎さんの信念は現在も引き継がれています。

ところで!
絵画を見るときに、ついつい額縁のすばらしさに目が奪われることありませんか?

画家自身が選んだものなのか?
誰がどのようにつくったのか?
どんな材料でできているのか?

ロンドン・ナショナル・ギャラリー ルネサンス絵画部門の学芸員、ニコラス・ペニーさんの言葉に
『豪華な額縁をあつらえるのは、絵画に対する敬意の表れでもあった。』というのがありました。
※[額縁と名画、絵画ファンのための額縁鑑賞入門]ニコラス・ペニー著、古賀敬子訳より抜粋

『絵画を額縁に入れてみると、同じ作品がまったく違った印象を持ったものになる。
 額縁が付いたことで、私たちの眼は絵画の深い意味合いにまで導かれ、構図が引き締まって見えることに気づくのだ。
 黒い額縁であれば白を、金色の額縁なら冴えわたった青を強調する。
 その効果は特に絶大で、私たちはそれを「完璧な結婚」と呼ぶこともある。』

ペニーさんの額縁への愛情が伝わってきます!

さきほどの疑問もこの本を読めば解決。

画家自身が選んだものなのか?
 →【画家自身が付けた額縁】もあれば、【画商が付けた】もの、【絵板と一体に作られた額縁】も。

誰がどのようにつくったのか?
 →【金細工師の創作から生まれた】額縁、【名工の彫るバロック額縁】など。

どんな材料でできているのか?
 →【木】はもちろん、【装飾部分を別づけにした額縁】、【金めっき】【銀めっき】など。

私が最も心動かされたのは、金めっきの加工について書かれた一文。
『蝋燭の灯を受けたときに、強く輝く部分とそうでない部分とを作り出すため、場所によって入念に仕上げが異なっている。』

う~ん… 思わず唸ってしまうような職人魂を感じます。

私の気持ちを代弁してくれるのが、本著を訳した古賀敬子さんの言葉。
『画集や美術書、映像などさまざまな形でアートを楽しむことができる現代でも、
 額縁つきの絵画だけは美術館やギャラリーに足を運ばなくてはなかなか見ることができません。
 (略)
 数ある中から誰かがそれを選んでつけたということに、何らかの発見があるかもしれませんし、
 逆にまったく絵画と切り離してひとつの造形品として見ても、本当に美しい額縁、
 驚くほど手の込んだ額縁もたくさんあり、つい額縁に目が行ってしまいます。
 (略)
 その歴史や時代背景を知って絵を観ると、また違った鑑賞の楽しみが広がるのではないでしょうか。』

額縁を含めた名画の数々を、ぜひ見にいらしてください!

また、お越しの際は大原美術館のまわりの景色もおたのしみください!

大原美術館のホームページ

この記事を書いた人

urinan

urinan

有鄰庵のスタッフです。2016年11月以前に書いた記事は、全てこのアカウントが「書いた人」になっています。

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