倉敷公民館に広がる音楽の世界
みなさんは「音楽図書室」っていう不思議な響きを、耳にしたことがありますか?
この音楽図書室は、倉敷美観地区の一角にあるこの建物の中にあります。
そう、倉敷公民館です!
入口の様子を拡大してみると……
重厚な木の扉の、右下に注目してみてください。
実はこんなに風情のある看板が、公民館の入口に出ているんです。
白いタイルに、金の手すり。
高級感のあるレトロな洋風の造りの階段を2階分上がると、
左手にその不思議な図書室はあるのでした。
中に入ると……そこには音楽の世界が広がっていました。
圧巻の品ぞろえの、音楽雑誌や音楽に関する本の数々。
そして、その場で試聴ができるレコード、CDが数多く並びます。
ジャンルも、ジャズやクラッシックから民謡、ポップスまでとっても豊富。
ところで……どうして倉敷公民館に、こんなに珍しい「音楽図書室」なるものがあるのか、気になりませんか?
その答えは、この図書室で一番目を引くこの蓄音機と、レコードコレクションにあります。
これは、大原孫三郎氏の長男で、倉敷レイヨン(現在のクラレ㈱)の社長をつとめた大原総一郎氏の私物を、
クラレ㈱が倉敷公民館の開館に合わせて寄贈したものです。
「倉敷の街を、芸術の街にする」
と、大原美術館を創設した父大原孫三郎に負けずとも劣らず、芸術に明るかった総一郎氏。
築いた富を、「芸術」という形で、地域に還元したい。
その代々の大原家の遺志はクラレ株式会社に受け継がれ、現在も生きています。