大原家の蓄音機は88歳。現役です! 音楽図書館(倉敷公民館3階)
美観地区でトイレに行きたくなったら…
倉敷公民館に駆け込んでください!
そして、窓のステンドグラスを楽しみながら、3階まであがってみてください。
音楽図書館。
クラシックを中心に、大原總一郎さんのレコードコレクション約2000枚を含むLPレコードをはじめ、SPレコード、CD、LD、音楽図書、楽譜を収蔵しているところです。
特筆すべきは、大原家寄贈の1926年頃製造といわれる電気蓄音機でレコードを聴けること!
音楽図書館に入ったら、すでにその蓄音機でレコードを聴いている方がいました。
迫力のある音。
プツ…プツ…ときどき聞こえる、針がレコードをすべる音。
その蓄音機の趣のある佇まい。素敵です。
館内の掲示によると、『1人1回、大原家の蓄音機でレコードを聴ける』!!!
音楽に疎い私は、どれをリクエストしようか困ってしまいました…
ふと、そこに開いてある雑誌を見ると、
大原總一郎さんが音楽の魅力を発信したいと思ったきっかけが
【高等学校入学時に母に買ってもらったベートーベンを聴いた】ことだと知り、
「この曲を聴かせてください!」
それでは…と大原總一郎さんが特にお気に入りだったというベートーベンの田園交響曲を聴かせてくださることに。
(きっかけになった曲かどの曲かは分からないので…と館員の方。困らせてすみません)
蓄音機のスピーカーの目の前に陣取って、そのときを待ちます。
レコード台がまわる音。
レコードに針がおちる音。
聴き覚えのある曲だけれど…
風がそよいでいるのかな
雨が激しく降っていて
晴れやかに気持ちのよい陽気になった…
もしかして、音で植物の成長も表現してるかも
なんて想像しながら聴いたのは初めてです!
とっても贅沢な時間。
思わず目を閉じて聴いてみたくなります。
(片面だけだったので、第一楽章のはじめの部分だけで終わってしまったのが惜し~いッ)
音楽図書館の方が
◎このレコードプレーヤー1台で、当時は家が1軒買える値段だった!
◎大原總一郎さんの家の中に何台もあった
◎修理できる方が高齢なので、動かなくなったらもう聴けないかもしれない
と教えてくれました。
素晴らしい一時をありがとうございます…
大原總一郎さん、音楽の素晴らしさをしっかりと受け取りました。
余韻に浸りつつも、今がチャンス!と思い、以前から気になっていた曲『野ばら』の作曲者を質問してみました。
この曲は私が通っていた小学校のチャイムだった曲です。
すると…意外にも曲ではなく、歌だという答え!
(オルゴールのような音だったので、曲かと思い込んでいました)
作曲者はシューベルト。
さっそく聞かせてくれました。
あぁ… そうそう、この旋律だった…
私にとって、長年の謎がとけました。
(音楽図書館のみなさん、ありがとうございます!)
レコードコレクションの背表紙を眺めていると、淀川長治さんの映画音楽集というのが目に入ります。
すご~く気になるけど、次回のたのしみにとっておきます。
ここは特別な場所。
クラシックがすきな方も、クラシックを詳しく知らない方も
蓄音機が現役のうちに、ぜひぜひぜひ足を運んでみてください。
この音は、一生に一度は体験しないと損です。絶対。
以上、1ヶ月ヘルパー体験中かつ倉敷滞在が2週間を過ぎたKiYoNoがお送りしました。